歳を取る夫婦、成るようにしか成らない
2024/08/31
十河 智
持病の喘息は、開業医さんが歳を取っては辞めて、今また新規開業の医院へ移り、三十五年間で主治医は四人目、薬は安定しているので、変えられないし、止められない。途切れると具合が悪い。娘のところで長期滞在するときは、静岡でも近医を受診する。職業柄言うわけではないが、お薬手帳は便利で、話が早い。同じ薬を間違いなく手にすることができるので、持病のある患者には、安心である。
買い物に行くときのために、メモをしておくようになった。昔のような近所の小さい店がなくなって、今はこうしてメモに溜めて、スーパーまで車でいく。それももうできなくなるのは真近に思う。親のことを思い返すと、夫婦でよくこの歳までがんばっているなとおうのだ。八十歳になった主人の姉が娘を頼って家を畳んだ。主人には全くその気はないらしい。成るようにしか成らない。