日日是好日なり二人
2024/09/20
十河 智
このところ朝はシリアルの牛乳かけ、昼は麺類、ラーメンかうどん、そばもときどき、それも一玉を夫婦で分ける、鶏肉か練り物、を入れ、キャベツかタマネギを刻んで煮込む。夜も肉と野菜を必ず使うのだが、以前よりも量は少なく、肉類は100ｇのパックで充分だ。野菜はスープや煮物で取る。ご飯も土鍋で二合焚き小分けして六回分として冷凍する。炊きたての一回が一番おいしいが、二合くらい炊かないと蒸らしがうまく行かず、硬いご飯になる。料理は好きで苦にならないが、いつまで続けるのとか食べるだけ人に言ってみたりもする。腕がないし、できてもまずい、上手な人に任せるしかない、という反論が返ってくる。親たちはもう亡くなっていたり、認知症になっていたりの歳になっている。病気もせず、まだ運転もして、幸せ者なのであろうとは思う。だが、いつかは終わると、常に頭の片隅では思っているのだ。
秋風や買い物袋の軽きこと
シリアルをミルクに浮かせ秋日和
寒蝉鳴く土鍋でうまきご飯炊く
親たちの末期を想ふ秋彼岸
秋深む日日是好日なり二人
