龍田川、そして平群の道の駅、鶺鴒もいました。

龍田川、そして平群の道の駅、鶺鴒もいました。

         2023/11/16

         十河 智

       

 

 もう例年ならば紅葉の頃、今年は異常な暖かさで、紅葉も遅いと聞いてはいるが、紅葉の頃のは行きたくなる、龍田川の辺りへ行ってみようと、主人をけしかけて、出かけた。

 龍田川は、うちからすると、奈良の手前、生駒を越えれば、すぐである。三時出発でも、明るいうちに着く。桜の頃の佐保川と違って、疎らに訪れている人はいるが、特に飾り立てられることもなく、のんびり散策できる。

 案の定、薄く色づく山の端ではあったが、紅葉はまだまだ先のようだ。川縁は芒ももう枯れていて、気候と植生のアンバランスが痛痛しい感じがした。

 暫く来ないうちに、道筋のスーパーマーケットが、看板を掛け変えていた。新たな出店なのか、合併とかでの名称変更なのか。コロナ禍のあとには、いろんなことがあるので、そう驚くことではないのだが。

 帰り、少し早かったので、平群の道の駅にこれも数年ぶりに立ち寄った。ここに、この平群一体の花卉農家の多くが直売の花を持ち寄るので、わたしの生ける花の仕入先になっているのだが、コロナの数年は遠のいていた。今日は、花は買わず、まだ時短営業なのか食堂も閉まっていたので、自販機のコーヒーだけを買って、ベンチで休憩して、帰った。

 駐車場には、川近くらしく、鶺鴒が二羽来て、アスファルトの色に隠れ、白線の上に現れては、遊んでいた。暫く眺めて、楽しい気分にしてもらえた。

 夕方なので、外環状線が混んでいた。少しましになったとはいえ、まだまだアイスクリームを食べたいと思う人は多いらしく、今日はそれほど暑い日ではないのだが、沿道にあるサーティワンアイスクリームの店には並ぶ人たちがいた。

 まだ早かったのだが、ゆっくりすればいいかなと思い、帰りに一番近くのガスト大東店に入った。最近は食べる量が極端に減った。ガストなどのファミレスでは、夫婦で一人前でも文句を言われないが、一度京都の名店と言われるところで、そうしたところ、二人できたなら二人分頼めと叱られたことがある。そこにはそれ以来足が向かない。今日は、ポタージュスープ付きのカットステーキとご飯少なめを、二人分注文した。

 無駄なような一日だったが、出かけて気晴らしにはなった。

 紅葉の紅こそなかったが、秋はそこかしこで感じられた。暦の上ではもう冬、寒い冬は南国育ちには堪えるのだが、それでも真っ当に寒い冬であるほうが、安心できる。

 

 

冬に入るひときは高き皇帝ダリア

薄紅葉期待に沿はぬ竜田川

枯野ゆくいまだ背高泡立草

蔦紅葉スーパー看板変はりをり

県道の落葉掃かれてゐる途中

平群の野冬菜冬菊枯芒

寒鶺鴒駐車場には白き線

別別に鶺鴒遊ぶ冬の川

短日や午後五時半の外環状

冬並ぶサーティワンアイスクリーム

温かきガストのポタージュスープかな