時間の無駄使い2
2023/02/28
十河 智
今日は朝から4時間もこのスマホを捜し回った。主人の携帯やら家の固定電話で音を出したらわかるかと電話をかけてみたが、バイブのマナーモードにしているらしく、全く反応がない。
主人が昨日の神戸のサイゼリアへ行ってみようといったが、その前に、やはり主人の携帯で、「この番号の携帯の位置を探す」という項目を、偶然見つけて、探索してみた。「半径50m以内にある。」、と出てきたので、何度も車庫や庭のテーブル、玄関先、台所と歩き回った。見つからない。
家に入り、なぜかその時、なんの気もなく、ふと裁縫箱のしまってある押入れを開けた。開いた瞬間、目がそちらに向いていた主人が、指さして、「あった!」といった。振り向くと、裁縫箱の横にちょこんと置いてあった。
こんなところに置いたとは全く覚えていない。が、昨日帰宅後に洗濯物を取り入れ、主人の靴下の小さな綻びを繕った。その時にたまたまスマホを手に持っていたのかも。
またこういう事態を想定して、スマホの音の設定をよく鳴り響く着信音に変えて、音量も最大限にした。
こうして、段段に失せ物探しの時間が増えているように思う。今のところ、最後には見つかり、事なきを得ているのだが、この先どうだろうか。寄る年波、避けられぬと実感する。
朧中音を頼りに探しけり
春の闇天の岩戸を開けるごと
春の日や寄る年波を繕ひて
のどけしや捜し出させるスマホなる
失せ物を探し鰯を黒焦げに