コロナ禍、あれこれ …… 続き4

コロナ禍、あれこれ …… 続き4

         2020/05/22
         十河 智


十四
 自動車税が来たので、序に、銀行と郵便局にも行っておこうと、久し振りに、駅前、街へでました。
 行きは車で送ってもらい、帰りは一人買い物とお茶をして、世間を見ながら、バスで帰ります。何ヶ所か寄るときには、効率よく回れるからです。
 
 まず、郵便局へ。たまに趣旨に賛同している「国境なき医師団」に寄付していますが、アフリカなどでのコロナ対策への寄付を募ってきたので、応じてあげようと思ったのです。
 連休中の日曜日だったことが影響しているかどうかわかりませんが、同封されている振込用紙が何度やっても機械が受け付けてくれません。振込用紙には、目的がわかる様にこの用紙を必ず使えと書いています。休み明けに問い合わせることにして、一旦引き下がろうと、車に戻り、出発した途端、寄付しようとしたお札を置き忘れていると思い、Uターンして貰いました。
何度も操作した2台のATMのあたりを探して見当たらず、テレホンセンターに、連絡までして、届けはないと、わからずじまい。センターの人に「お財布とかもお探しください。」とまで言われて、諦めました。
 がっかりして郵便局を出た瞬間、アホな自分に気が付きました。送料をケチろうと、先に入金しておいたんです。
 最近、こんなボケボケがよくあるようになりました。主人に言わないわけにもいかず、事実をいうと、呆れかえって、大ボケといい放たれました。お互い様と心で思いつつ、なんにもいわず、我慢。一応謝っときました。
 それから駅前へ移動。銀行で生活費を下ろしました。これも自粛生活で、あまり出歩かないので、お金を使わないし、日数の感覚が鈍り、だいぶ遅くなっていました。余分に自動車税分も引き出して、すぐ隣のコンビニで、何も考えなくていい、コンビニ払いにしました。
 少し足りないものを買いたいので、主人と別れ、スーパーへ。その駅の店にしかないジャムを買います。スーパーには人がいました。
 歩くとわかりますが、前に来たとき咲き始めだったハナミズキが前の日の雨で散って履き集められていました。ちょっと無様で、見苦しい散り様は、この花の残念なところです。
 バスがよく見えるミスタードーナッツは、コロナ対策に模様替えをして、店内お召し上がりも大丈夫でした。バスを待つ間にコーヒーを飲みました。1テーブル1座席になっていて、二人がけのソファー席は撤去されています。
 どのバスも夕方なのにガラガラ。乗ったバスでも二人。同じ住宅街の人でした。そこから向こうは、無乗客。バス会社も大変。老人のお買い物対策にと陳情してまで便を増やしてもらって、いい具合に利用者は増えていたんですが。
 ボケが入ってしょげてもいますが、いい息抜きもした日でした。

春終る募金拒否するATM
春暑しお札紛失騒ぎして
入金済思ひ出しけり暮の春
ハナミズキ往生際の淫らなる
税金をコンビニ払初燕
店内は一卓一人暮遅し
乗客二人ゴールデンウィークなのにバス

     
十五
 駅前にでかけた次の日、毎月のこととですが、予約の本を取りに大型ショッピングモール内のツタヤへでかけました。
 第2次の休業要請を受けてか、ホームセンターのビバモールが休業していたので驚きました。ツタヤとマツキヨ、フレンドマートは、やっています。
 フードコート内では、ドリンクの店だけ開けていました。お昼ごはんを家で済ませていて正解でした。ガラ空きで、換気も良く、少し座って、買ったばかりの「俳句四季」と「俳句」、主人は「将棋世界」に目を通しました。甘い物好きの主人は、ボーロを買ってきてました。コーヒーを添えて食べました。
 簡易包装の新しいマスクがあるので、聞くと、お菓子屋さんでサービスにくれたというのです。「マスクしているけど、どうぞ。」と言われたとも。どうも入店のの際、マスクをしていない人にさせているようです。商品へのウイルス付着防止対策かも。そういえば、ここでもマツキヨにはなくて、洋服屋さんに
「マスクあります。」
それが普通になっています。
 俳句の投稿は、佳作一句、いつものように。全滅は免れました。
 3時すぎ、雨が振り始めるころ帰ることになりました。
 その後また、私はどこにも出掛けず引きこもっています。

夏隣諸所にビニール帷(とばり)かな
草餅やイートインコーナー閉じてをり
読書して自粛生活春の陰
大型店コロナ休業して立夏
白シャツとマスク並べて売られけり
春の雨ぽつりぽつりと始まりぬ  


十六
 緊急事態宣言は解除されてゆく、この頃ではあるが、検査体制が整ったとは思えず、マスクが離せず、周りのすべての人がウイルス感染の疑いが濃く見えて、アルコールを見る度に消毒してしまう。
 そんな日常を送っていると、発熱などあれば、誰しも感染してしまったのかと、心配と不安は極限に達してしまう。早く検査の体制を整えるべきである。自分の今が正確に把握したいのは誰しも思う願いである。感染していない証明に検査を使いたいとは思っていない。

夏日なる深夜に届くメッセンジャー
五月闇味覚異常と発熱と
保健所は検査できぬと蚊喰鳥
急変に備へ携帯夏の夜
未検査のただ心配で夏布団
PCR検査陰性と聞く五月晴  


十七
 ある情報が、コロナ禍の世情の怪しさを教えてくれた。
 消毒用アルコールの代用品として、規格違いの、蒸留酒77が、厚生省も認めるものとして市場に出ているが、普通の飲用のアルコール度数30〜45の物に、消毒用に使用できると誤解させるラベルを貼ったものが、売られていたという。
 医療機関や学校では、またこれから感染防止対策が必須の経済活動再開する社会では、この77アルコールを厚生省が認めたことは、窮余の一策であった。ここをこんな手で崩しにかかるものがあるとは。信じられない。許せない。
 焼酎やウォッカをそれとわかって、昔は傷口などの消毒に使うことがあったが、それとは次元も、話も違う。公衆衛生として、医療として、コロナウイルス対策の一角が綻びるかもしれないと思うと、とても恐ろしい犯罪だ。確かな製造元のわかるルートで手に入れなければと改めて思った。
 ちなみに製剤用エタノール醸造により作られ蒸留されるのでエタノールのみが成分の場合は、消毒用エタノールにも、蒸留酒77と同じく酒税がかかる。
 工業的に別の製法で作られた、「呑めない」アルコールを混ぜた変性アルコールには酒税がかからない。
 使ったあと、揮発させてしまう器具の消毒などには変性アルコールでもいいが、これほど頻繁に部屋中充満させるほどに使用する環境では、手指消毒、環境清拭に、変性アルコールの使用はやめたほうがいいと思う。
 学校が再開されるにあたり、衛生上の留意事項が教育委員会から出されていて、周知と対策で先生方も大変である。
 近辺の学校の教室も、授業の前後に先生方が総出で次亜塩素酸ナトリウムの水溶液と水道水の二度拭きで、消毒作業をしている。手間で、衣類に散って漂白が起こるのを防ぐためにレインコートやエプロンで防護しているという。
 アルコール(消毒用エタノール)は、手指消毒用になるべく残しておく。
 
焼酎の度数77目立たせて
熱中症コロナウイルス教師たち
お達しにウォータークーラー使用不可
教室の清拭茅花ながしかな
白南風やレインコートは防護服