学校薬剤の照度検査
2011/11/17
学校薬剤の照度検査
十河 智
学校薬剤師として、担当の小学校に照度検査に行った。
冬は陽が翳ることが多いので、照度は、11月の検査になっている。窓の位置や、建物の向きによっては、日差しをまともに受けて、明るすぎたり眩しすぎたり、教室内に明暗の差が生じやすい時期でもある。そういう面からも、照度検査は冬にするのが適切である。
検査周りにできれば邪魔がないほうがいいので、体育などで子どもが留守の教室を指定してもらう。体育館は広いので、影を作らない位置に退避してもらうことができるので、いつでも測定可能とし、予め学校側と日程を調整する。
反射を嫌う測定なので、黒か紺の服を着て行く。
この日は雨だった。少し暗いかもしれない。約束の10時、保健室に入る。
すぐに教室に行き、測定。授業時間が限られているので、結構急いで2教室を済ませる。
その後、体育館へ。雨は止んでいた。長い休み時間で、子どもたちがソーランを練習しているのに出くわした。先生によると、5年生が行事で発表するために自主的に練習しているという。小学校では、外遊びに誘導し、大勢で遊べるように、長い休み時間を設けているのだ。5年生だけなので、隙間隙間を縫って照度測定は可能であった。
広い体育館で、検査点を均等割に決めていくために、一応メジャーを用意していたが、バスケットボールのコートの線引があり、大体の目安がついた。それに従って縦横を等分に割り付け、格子の交点で、照度を測定した。教室では机上(床上70cm)の測定だが、体育館や幼稚園などは、床面に座り、集会や授業を行うことが多いので、床面で測定する。
部屋の窓やカーテンやブラインドの状況、蛍光灯の位置を図に描く。報告書にするときは、この図を添える。
基準を超える眩しさや明暗比の原因も対策もカーテンやブラインドの使い方なのだ。また、消防などの安全対策でも、逃げ道に物を置くなと言われるが、明るさの光の通り道に案外ものが積まれていたりする。改善点として、提示したすることの一つである。
この測定の処理には、小学校時代に習っていた算盤が、税金のときの、医療費の計算と年二回、持ち出される。計算機だと、どうも不安で結果が疑われるのだ。算盤も小学校から使っていたものだ。
報告書は、学校と教育委員会に後日提出する。
こういう地味な検査の継続で、学校の、子どもたちの教育環境が、安全で快適に保たれ、不備が生じたときは、すぐに改善されるようにと、いつも願いつつ、報告書を作成し届けている。
冬ざるる坂の半ばにある門
寒菊を飾る学校今朝十時
風の子や照度検査は冬にする
時雨るるや照度を測る体育館
体育館の高窓よりの冬日かな
冬の灯のリレーして点く体育館
冬の陽の少なさ照度計数値
息白き子らの集まる照度計
時雨暫し帰るさ傘を忘れ来し
身に沁むや子供の頃の習ひ性
校庭の銀杏黄葉や報告書