2021年秋の終りの話
2021/11/06
十河 智
(コロナ禍の、今年の秋も今日で終わり。世界を見ればまだまだだが、国内はほぼ収束。少し日常が戻ってきた。)
寝屋川市のワクチン接種、11月は2回めのみ、3回めの予定は来年2月からと聞いた。
市内でも、感染の話は多少聞こえてきた。警察署で感染者が出たので、業務に支障がないように、他市から応援があったという話。学校薬剤師の担当校の校区で何人か出て、家族感染に警戒しているという話。コロナ受け入れホテルで食事に行った所が、一般客を断ってきたという話。地域の薬剤師会からの要請でワクチン接種会場に出務して、元患者に何人か出会った話。この1年半、そう濃くはないが、確かにコロナの霧が、自分の周りに立ち込めていたと思っている。
私達夫婦は泊まりや大人数での会合には出かけなかったが、ほぼ毎日外には出ていた。コンビニコーヒーを持って公園とか、スタバのように広くて感染対策のしっかりしたところで30分位過ごして車で往復、その後スーパーで買物をして帰る。スーパーが一番人とぶつかりそうだった。
まあ、それやこれやで、日を重ね、秋が深まり、ワクチン接種が浸透するとともに、収まる気配が見えて、緊急事態宣言は解除された。
宣言下に運転免許更新のための、講習やテストがあった。解除後もそのまま予約制が続き、スマホで予約、近々警察署へ出向く。
11月初め、故郷の弟たちにも会いに行った。中頃は、学校で体育館と教室の照度検査をする。宣言下ではプールを使わずなので、プールの水質検査は今年はなかった。学校にも普通の授業が戻ってきている。そして、下旬は、娘のところへ孫たちに会いにいく。これが今一番の楽しみである。
今日は2週間分くらいの買い物に出た。コロナの中で、大量に買っておいて、回数を少なくするのが身についた。ドライブしながら少し遠目のお茶をするようにもなっていた時、昔々近所にあったオークワというスーパーが、引っ越していった先を大東で偶然見つけた。それ以来、よく行くようになった。寝屋川にあったときも買いやすい店と思っていたのだが、その後イオンモールとビバモールができライフも近所で大型化、10年くらい前によそへ引っ越していった。
その店を見つけて入ってみると懐かしく、買い物も広く大きくなっていても、変わらずやりやすかった。ポイントカードは古い店のものから変わっていたので作り直しをしないといけなかった。
今日もかなり重い荷物になった。いざ帰ろうとして、荷物を持ち上げた途端、バランスを崩して、尻餅をついてしまった。痛くもなかったが、衝撃で体中に電気が走ったように一瞬ビクビクっときて、暫く立ち上がれなかった。周りに主人しかいなかったので、あまり恥ずかしい思いをせずに済んだのだが、少しもたついていると、誰かが「車椅子持ってこようか。」という声、「大丈夫、起き上がるのに、ちょっとまごついて。」と、答えつつ立った。声をかけてくれた人もそのまま通り過ぎて行ってくれた。同年代の人のようだった。
主人も一瞬のことで、びっくりしたようだが、捻挫やひねりがないのを確認すると、荷物をカートに乗せてくれて、私はそれに頼って駐車場に行った。
家でも、荷物運びは主人が今日はやってくれた。きっちり冷蔵冷凍庫に納めてしばらく横になっていた。明日は筋肉痛があるかもしれない。今までもよくコケたりがあったが、今日はショックが大きい。起きあがるのに手間取ったことに歳を感じてしまった。今まで以上にコケてはいけない、と思った。
気を落ち着かせてから、夕飯は豆腐と白菜、豚肉で鍋にした。お隣に頂いたすだちを絞って酢にしているので、それでタレを作って食べた。茹でたそばを散らして、〆にした。
こうして、衝撃のアクシデントを思い出に加えて、2021年の秋の最後の日は終わった。
スーパーの栄枯盛衰今年米
秋惜しむコロナ第五波来て往きぬ
霧立つやコロナの習ひ性となる
尻餅の衝撃秋の終わる日に
転けて吾水に戻れぬ秋の金魚
秋の暮荷物持つ背の後を追ふ
隣家より賜り木酢に絞りしか