有馬みどりさんのピアノコンサート
__ ”CLASSICA”
2021/12/14
十河 智
日曜日、芦屋の、”CLASSICA” という小さな音楽のサロンで、ピアノコンサートがあった。
有馬みどりさんは、定期的にここで、リサイタルをやっている。
彼女のお母様と主人が高校の同学年、私も同窓で、そのご縁で、ピアニストとして独り立ちされてからずっと聴かせて頂いている。
とても力強いタッチで、リストやベートーヴェンをよく弾かれる。私は、ただ聴いて癒やされるだけ、童謡や歌謡曲を歌って愉しむくらいの音楽好きに過ぎないのだが、ときにこうした本物のクラッシックの演奏に触れると、心洗われる。
芦屋までは寝屋川公園駅から学研都市線・東西線・神戸線経由、と言っても、乗換なしの一本で行くことができるので、便利になった。ここ数年で、寝屋川公園駅周辺の再開発が進み、何棟かマンションが建ち、道路が通じて、その両側に大きなスーパー、大きな病院、ドラッグストアと、立て続けにできた。
スーパーに車を置いて、電車に乗って、芦屋の駅で食事、歩いてすぐの会場で、音楽を聴いて、また電車で戻り、スーパーで、買い物をして、車で帰宅。午前10時から午後5時。
今は日が短く、帰りの電車は、ちょうど街が灯り出す頃。電車は久しぶりだったので、沿線の冬の風情が面白かった。
この間のバス乗り継ぎに続いて、コロナの前の暮らしが、わたしに戻ってきた。
駐車場借りるスーパー師走かな
芦屋まで電車一本冬景色
駅ビルの蕎麦屋鍋焼き饂飩食ぶ
楓(ふう)の木の落ち葉散らばる歩道かな
枯葉道交番の前曲がり
寒晴やビルの三階なるサロン
定員の半数限り寒気入れ
名器より冴ゆる調べの震へくる
マスクして間(あひ)の解説ピアニスト
冬暖か赤やはらかく着てゐたり
白き部屋リストの曲に冴えにけり
冬の陽を透かすカーテンショパン聴く
「テレーゼ」はわからぬと夫冬青空
熱情の一気に溢れ冷た水
耳障りなる電子音虎落笛
若き娘のうたた寝縋る黒ジャンパー
冬の灯の輝き増せる北新地
駐車場代にと鮪買ひ帰る