句帖を拾ふ(2020年10月)

句帖を拾ふ(2020年10月) 

          2020/11/01

          十河 智

席題2020年10月第一週

「秋高し」

大木の切り株となり秋高し

ぴーひよろと鳥鳴き行けり秋高し

秋高し回収に出す五百冊

 

席題2020年10月第二週

「萩」

前栽を萩埋め尽くしこぼしたる

萩の寺出町柳を川沿ひに

括り萩お堂へ向かふ石畳

 

ブンゲンストウヒホプシーひときはの銀色ひかる 十河 智

 

silvery leaves shine outstandingly ;

Blue spruce SOGO Tomoko

 

宇治市植物公園で、入園前に、銀色に輝く木を見ました。ネットで木の名前を調べると、杉ではなく、松の一種だという。私の見た木を移した画像も見つけた。やはり目を引くようだ。

 

10月第3週

〜席題で一句〜

夏雲システムを利用した、合評句会

基本季語  蟋蟀(こおろぎ《こほろぎ》)「秋-動物」の季語

 

5句

地下道に一人東京こおろぎと

つづれさせインターネット句会の選

蟋蟀の鳴く叢をやり過ごす

星見る目ちちろ聴く耳感極む

蟋蟀や築五十年の家の庭

 

このごろFBで亡くなられる人のことを聞きます。

FBでのかすかなお付き合いしかない方でも、毎日俳句や言葉を読まして頂いていると、辛いものがあリますね。

 

お互いに気分も高揚させて、元気にいるようにしましょうね。

 

毎日の言葉が止みぬ落葉して

元の木も朽ちてある報秋入日 

 

10月第4週   

テーマで一句  

1.テーマ:「空港」

空港は今まだ疎ら栗羊羹

2.文字:「対」

対角に座る卓なり新走り

3-1.上五の頭文字:あ

朝遅く起きる小春日真中なり

3-2.中七の頭文字=『わ』

冷やかやワープロで打つ文字の列

 

万年青の実自慢げに抱く植木鉢