あけびの実、初めて食べました。

あけびの実、初めて食べました。

          2020/10/07

          十河 智

 

 あけびの実を、生協の店で見つけて、その浅い紫色にみせられました。
 でも育った里の山で、食べたことがなくて、品物にもなんの説明もなく、食べ方がわかりません。関東以北の人たちのフェイスブックで、よく写真があるので、FBお友達に聞きました。
 千葉県に住むお二人は、子どもの頃、種の周りのジェリーを種を吐き出しながら食べたというのが答え。
 そのお一人が、山形の人のブログを教えてくれました。皮の食べ方がありました。どうもアク抜きをして煮て食べるようです。皮と実の間のもやもやが苦いと書いてあるので、想像するに、はっさくの苦味と近いかなと思いました。
 たまたまお習字の稽古日でした。ここのご夫婦は、お友だち先生は私と同郷、もともと娘たちが中学、高校で同じだったお母さんで、店をしていたとき、経理を手伝ってもらいました。掲示物が多い薬局で、それもイッテに書いて貰ってました。その旦那さまは、山形の人です。
 お習字の稽古の合間に、聴いてみました。
 私と同じで、故郷では、食べたことがなく、山形では、実よりも皮が大事、よく料理に使うと、ブログの人と同じ調理法を教えてくれました。
 地方色、ありますねえ。
 さて、買ったあけびの実、苦味と種で、主人は食べないと踏み、私一人でまず、二つに割り、まずジェリーをスプーンで掬いたべましたが、味わえる状況ではなくて、種を口中で選り分けるのに必死になりました。種が多すぎる。油断すると、呑み込みそうになるし、ジェリーがついたまま吐き出すともったいない。初めてだと難しい。でもあとで思うと、美味しかった。
 皮は、黒砂糖、蜂蜜とたっぷりの水で甘々に煮ました。アクをつきっきりで取りましたが、出来上がりは、ふわっと柔らかく、苦味が好きな私には、いい味でした。私の好みの味になりました。一瞬でなくなったです。
 あけびの実は、これで、私の一年に一回の味に、エントリーされました。

あけびの実その紫の色に惚れ
あけびの実種の多きにやるせなし
山形のソールフードかあけびの実
我にある苦味と同期あけびの実
あけびの実一年一度の味とせむ