老いても暮らすしかない。

老いても暮らすしかない。

         2023/10/04 

         十河 智

 

 今年は、行動制限などまったくないはずだが、コロナ前の活力や行動を起こす弾みのようなものが全く機能しない。

 主人は、めでたく認知機能検査を通り、83歳まで、運転免許を更新できた。80歳で運転を辞めると言っていたのだが、免許があるんだから、期限まで乗るというようになった。「そりゃあ、そうだろう」、そう思った。家内では、相変わらず、私一人が掃除洗濯おさんどんを続けている。   

 年金が、来年度、80歳から減額と通知が来た。まあさしてがっかりでもない、その前に足腰弱り行動範囲も意欲も減退していて、食費以外に使うものもない。光熱費、通信費、くらいかな。

 ただ、もとに戻るが、私はいつまでおさんどん?

 主人曰く、作れないんだからしかたない。

 それで最近スーパーでパックの調理済みおかずを買うようになった。ただ味が濃くて、続けては買えない。自分で作るもののほうが美味しいのだから仕方ない。自分に作るつもりの2人分を作っている。最近は金婚なんて、誰も言わない。これから先何年生きるのだろう。娘の近くのマンションで、食事に通って暮したい。一人になった義姉が最近東京に移ってそういう暮らしを始めた。うらやましい。

 苦労して維持してきた我が家を捨てられないので、まだまだ二人で頑張らざるをえない。若さがあって、子どもたちが育ったこの住宅街には、年寄ばかりが置き去りになっている。あとは50代で未婚の子どもがいる3人家族。自治会もコロナ以後盆踊りも祭りもなくなった。

 運転できなくなれば考えると主人は言う。わたしは2歳後追いなので、後それも5年くらい。

 子どもは娘一人、まあ行動におかしいところが出てくれば、どこか施設を手当してくれるだろう。自分からどこかへ入ろうとは主人は言いそうにない。

 主人は付き合いが悪くて、決まって旅行するような友達はいない。私一人が年に数回、一泊のそういう旅をする。しかし多分それも今年でほぼ最後となる。出席人数が減ってきだしたのだ。来ている人も次は無理という人があったり、寄る年波が、せまりくる。

 こういう企画は、止めればそれで済む。家事は続く。昔はある歳が来れば、福祉の世話も考慮のうちだっただろうが、今は、みんなが元気な高齢者、甘えていられない。動ける人は頑張らなければ。

 

 

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芋煮買ふ出来合いの濃き味付けを

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