寺田伸一句集「ぽつんと宇宙」を読みました。
2023/02/15
十河 智
句会で勧められて、ほんとに久しぶりにアマゾンをポチって、寺田伸一句集「ぽつんと宇宙」を買いました。早い。二日後にはもう届きました。
今日は、とくに寒く、どこにも行かず、この本を読ませてもらいました。
俳句は面白い、とまた思いました。寺田紳一さんの句がとは思わず、俳句が面白いと思いました。俳句の新しい魅力を感じる句集でした。
さり気なく心根を覗かせる、ふと思いつく空想をうまく表現できたと楽しんでいる、本当は苦しいかもしれない胸の内を軽くやり過ごしている。
あとがきの彼の言葉が、この句集を語る。
「障害を持つ僕は俳句に出会って人生が楽になり、楽しくなった。この一冊は自分史のようなものであり、……………」
そのあとがきに作者自ら抄出の五句をここに揚げておこう。
「リハビリ」が春の季語めく昭和町
憲法が好きよこの国青嵐
山装う紅一点が母なのだ
秋時雨しゃあないやんか俺やもん
冬薔薇無情ということあたたかく 寺田伸一
春の蚊に宇宙があると句集読む
寒の戻り少し庭にも出てみむか
白梅は大きく咲きて見せにけり
春の鳥次次来ては停まり行く
春の雪降りたる証敷石に 十河 智