俳句雑誌「こなぎ」vol.3(「こなぎの会」編)を読みました。
2023/02/12
十河 智
この前参加した句会の後の食事の時、配っていただいた俳句雑誌「こなぎ」vol.3(「こなぎの会」編)
こなぎ、漢字で書けば、小水葱、だそうで、ミズアオイ科の一年草、と見返しに説明があった。見たことあるとは思うのだが、田んぼの雑草でもあるそうで、俄に思い出せるものではなく、検索して、確かめてみた。俳句の本の標題は、こんなマニアックなちょっと調べるくらいのものが多い気がする。俳人は標題にも凝るのだ。
九人の方の、俳句20句とエッセイ。ふけとしこさんの作品評、また、参加の方方のふけとしこ作品の鑑賞が三句抽出で書かれている。多くの方が採られていた私にも印象的な三句を挙げると
ふけとしこ作品
「秋の日」より
いつよりの閉店萩のなだれ咲き
うつくしき渦被て秋のかたつむり
水澄むや父が遺愛の豆鉋
ふけとしこ
それぞれに一句の読みが流暢に流れ、気持ちよい。機会はあると思うので、また読んでみたい俳句作家となった。
その他の方の、一句を挙げると、
れん・はると・つむぎヒアシンスに名札 井池恭子
声明の余韻青葉の道にまで 井上保子
どつどつと馬の心音秋澄めり 江頭充子
夕立来るポテトサラダの二割引 大味しげる
ヒマラヤの塩に出会つた春キャベツ 木村輝子
人の名を忘れシュワッとソーダ水 倉野継夫
グラビアへするどき日差し花ミモザ 小濱准子
萩咲いてかくれんぼの子探さなきゃ 齋藤弘子