奈良の菊人形展へ行きました。

奈良の菊人形展へ行きました。
        2019/10/29
        十河智

 SNS のお友だちが、奈良で菊人形が
行われていて、見に行ったと、写真を挙げておられた。
 菊人形、昔はいろいろなところで秋になると行われていた。私の故郷の仏生山、今の住所近くのひらかたパーク、そして閉園した近鉄あやめ池遊園地。全部なくなってしまい、庭や鉢に菊を愛でる人も少なくなった。菊薫る秋ではなくなりつつある。
 奈良公園の観光バスのターミナルの屋上で、ごく短期間の催しで、次の日の日曜日で終了するという。月曜日から予定の旅行があったが、どうしても菊人形が見てみたくなった。
 その日曜日はまた朝起きると快晴で、菊人形に行きなさいと誘われているようだった。ちょっとドライブより少し遠いが、いつも行く平城宮址近くのごはんやに行ってから、足を伸ばすことにした。
 気楽な年より暮らしなので、平日にしか出掛けないので知らなかったが、土、日、祝日には、奈良では、店舗の駐車場が解放されていて、無料で一日置いておくことができ、最寄りのバス停からぐるっとバスという百円バスにのって観光ができるシステムになっていた。ただバス停がどこかよくわからず、近くの所から適当に乗ったバスは百円ではなかった。まだ黄葉が少し、紅葉には早いが、観光客は一杯だった。菊人形展のバスターミナルには観光客を降ろしては乗せる大型観光バスが何台も往き来していた。
 屋上での菊人形展は比較的こじんまりとしていたが、菊がみずみずしく美しかった。写真は時間が昼過ぎで、位置的に逆光になり、取りにくかった。本格的なカメラを持って取っている人も苦労しているようだった。
 若い親子連れもたくさん来ていた。綺麗に刈られた芝生と奈良らしい鹿の陶器の置物があり、子供たちの遊べる空間にもなっていた。屋上からは奈良の遠望が見渡され、気持ちがいい。
 帰りは平城宮址の朱雀門へ行くことを確認して、百円バスに乗った。また満杯である。バスは大きく回り道をしてもとの平城宮址の真ん中にまで連れていってくれた。
 ここでも遣唐使船の回りが綺麗に菊で飾られて、菊花展の一環のようであった。帰り際におまけがあるようで嬉しかった。
 ここまではとてもいいお天気で、申し分なかった。が、帰りは生駒の山の中で、かなり強い夕立に見舞われた。これは、山の中にいる間だけの雨雲のようだが、かなりの降り様であった。それが幹線道路に戻る頃には、止んでいた。

晴れ渡る空に誘はれ菊人形
麦とろや奈良のめしやの季節もの
秋の色奈良の市街へパークアンドライド
秋の空知らぬルートのバス不安
黄葉の大宮通奈良公園
次次と観光バス来菊の展
屋上に天平の風秋惜しむ
薄紅葉向かうに若草山丸く
馴染みある五重塔や秋の暮
菊人形鹿の遊具に走る子ら
秋麗見飽きぬよちよち歩きかな 
百円のぐるっとバスや黄葉道
もうひとつ遣唐船と菊花かな
秋入り日逆光となる被写体を
生駒山暗雲急に秋夕立