向瀬美音句集「詩の欠片」を読みました。 2019/03/15 十河智
俳句大学、Haiku Column でご活躍の向瀬美音さんの句集「詩の欠片」を読みました。
一つの俳句として、ご本人の作で、日本語・英語・フランス語の3言語で表された俳句が、一つのページにレイアウトされている句集です。
日ごろ、翻訳ではない英語での俳句 らしい haiku をめざし、少し頑張ってみようとしている私には国際俳句への、外国語圏の haiku を作る方々、まだ haiku を知らず、「 haiku とは何だ?」と思っている人々には、とてもいい、日本の文化としての俳句への道しるべになる本のように感じました。
事実、そのような意図を最初から著者も持っておられるようで、国際季寄せ約450語も合わせて掲載されています。
著者が係わる国際俳句の投稿サイト Haiku Column では、日本の俳句の真髄である、「切れ」と「季語」を、外国語でどうすれば、表現できるかを追求し、俳句大学学長永田満徳先生の指導のもと、
1「切れ」を得るための工夫としての二行詩、
2「季節の感慨」に触れるための外国でも共有され得る季語(KIGO )
この二つの要素を取り入れた haiku を 提唱しています。
向瀬美音さんは、俳人としては、有季定型の人であり、英語とフランス語が自在、この 提唱される haiku を実践できる方であり、この句集は、初めての収穫とも言えるものだと思われます。私は、力及ばないながらも、同志として、感慨に耽っています。
向瀬美音句集「詩の欠片」より
はじまりは零余子一粒俳の道 美音
one grain of mukago
my way of Haiku
un grain de mukago mon chemin de Haiku
詩の欠片大西洋に拾ふ夏 美音
picking up a piece of poetry on the beach
summer
trouvaille d'un fragment de poèsie sur la plage
I'ètè