句帖を拾ふ(2021/01)
2022/02/01
十河 智
1
列島の地図オミクロンそして雪
omicron and snow covers Japanese Archipelago ;
the maps
寒寒と一両百人みなスマホ
chilly and cold ;
all a hundred persons in the car watching smartphone
2
稀にゐる文庫本派の暖かし
a rare pocket-sized book person ;
the reading with warmth
寒きかな何をすべきかまでゆかぬ
shivering with cold ;
cannot think of what to do
３
柚子浮かぶ冬至の風呂のほつこりと
hot bath scented with yuzu of the winter solstice ;
feel relaxed
ゆず味噌に一つは絞る冬至かな
yuzus for bath of the winter solstice ;
picking up one to squeeze and mixing with miso
４
仲畑流川柳欄の初笑ひ
the first laughter of the year ;
reading a Nakahata style senryu in the newspaper column
初笑川柳欄の二重丸
the first laughter of the year ;
two concentric circle attached to a senryu work in the column
5
枯蓮や滋養は土の中で貯め
友人に贈る
6
「チョコレート」
二月や通販ベルギーチョコレート 十河 智
February ;
the catalogue sales for Belgian chocolate SOGO Tomoko
「雪女」
雪女川沿ひを行く闇夜かな 十河 智
night-walk along the river in the dark ;
snow woman SOGO Tomoko
初句会にして、初めて参加した句会。
「席題」、出した句が自分では気に入っているので、備忘のために。
誰にも採っては貰えなかったのだが。
At the first haiku-meeting of the new year and the first participation of mine,
making haikus on the titles, I presented those I liked. For not forgetting , I write down those here.
But no one had chosen these as good haikus.
7
女正月晴れ着のやうにグラジオラス
ブプレリュームセリ科ださうな冬座敷
アリウムコワニー春を急ぐや花売場
寒菊や引き締めの白大きめに
青瓷にも黒き陶にも明日の春
8
冬帽子綱の色輪に繋がる子
winter hats ;
nursery school children linked by a rope with handlehoops
落葉掬ひ散らす園児の帰り道
scooping fallen leaves, scattering them in the sky;
on the way home of kindergartner's
冬の富士コンビニコーヒー啜りつつ
Mt.Fuji of winter ;
taking a sip of my hot coffee from a convenience store
枯葉散るバックミラーに富士の山
dead leaves dancing ;
Mt.Fuji in the rearview mirror
9
【俳句大学投句欄】
2022年1月第2週 席題で一句
松の内（まつのうち）
「新年－時候」の季語
松七日小さきものを飾りけり １点
（並選）１
コロナ禍の黙続きをり松の内
門前に駐車の多し松の内
東京に事故多発して注連の内
松の内人恋しくてまた電話 ４点
（特選）１
（並選）２
10
【俳句大学投句欄】
2022年1月第3週 席題で一句
寒雀
（かんすずめ）
「冬－動物」の季語
74 砕石に紛うてふくら雀かな
19 寒雀ピザ屋の外に積む薪 1点
（並選）１
（ひとこといいたい句）２
78 精米機周りに遊ぶ寒雀 2点
（並選）２
60 電線の渡る青空冬雀 1点
（並選）１
29 陽だまりに喋り止まずや寒雀 2点
（並選）２
11
【俳句大学投句欄】
2022年1月第4週 「テーマで一句」
夏雲システム利用 合評句会です
【季語】
当季雑詠：当季雑詠（晩冬・自由律・無季俳句も可）
【投句のテーマ】
下記に記している、出題者の「テーマ」、以外の句は投句出来ません。
＊｢待つ｣をテーマに。文字の詠み込みはなくても心情が伝わる句
18 寒満月災ひ去るを待つばかり 0点
智
（ひとこといいたい句）１
＊「銀」の字の読み込み
65 オーバーとハットの男いぶし銀
＊「石」の文字の読み込み
44 石蕗の花宿坊寺院の夜の庭
39 石垣の空きに根を張る薺かな 3点
智
（並選）３
＊「宇宙」をテーマにして俳句を詠んで下さい。「宇宙」を詠み込まなくてもいいです。
24 オリオンよ人工衛星射るなかれ 0点
（ひとこといいたい句）１
12
【俳句大学投句欄】
2022年1月第5週 席題で一句
寒椿（かんつばき）
「冬－植物」の季語
＊夏雲システム利用合評句会
【季語】
①基本季語＝寒椿（かんつばき） 「冬－植物」の季語
②傍題季語＝冬椿（ふゆつばき）
寒椿
51 伐られてはまたひとつ咲き寒椿
80 寒椿今の孤独に癒しなる
16 寒椿茶の湯の席の床の間に
76 塔頭の門の柵越し寒椿
44 寒椿祇園の路地に迷ひ込み
