大山崎ふるさとセンターでの句会
2022/01/11
十河 智
水曜日、大山崎ふるさとセンターで、句会があった。
ここは、大好きな句会場であり、センターである。こじんまりとしていて、少し広いロビーの一角に、人が入れるくらいの大きなガラスケースの中に、生花が、飾られている。それをじっくり眺めるのが、この建物が句会場となったときの、楽しみとなっている。
流派は色色。しかし、いつもみごとな出来映えの、季節を先取りの整った生花で、俳句の前に気持ちを落ち着かせてくれる。
このときのロビーのお花は、池坊、三種生け。写真は取らなかったので、思い出して、ラフなスケッチを描いてみた。チューリップが、ごく薄い橙色で、可愛く、春そのものであった。
雰囲気が伝わるといいのだが。
もともと参加していたこの会場での句会は、お世話の方の都合で、通信句会となっている。しかし入れ替わるように、お誘いを受けて、ここに来ることになり、また、ここで生花を鑑賞できるようになり、喜んでいる。
句会の方は、コロナの影響で、参加者は3人だけ。本句会は、夏雲システムに回して、3人だけのなごやかな句会となった。テーブルに離れて座り、短冊や清記用紙を、立ち上がっては持っていった。
第2句会までやって、帰りに駅近くの喫茶店でお茶もした。人数が多いとやらないこと、せいぜい電車の中で同じ方向の人とお話するくらいだったので、ぐんとお近づきになれた気がする。たまにはいいなと思う。
この頃の三寒四温三種生け
チューリップロビーに淡き陽射し入れ
線細きしかし溌剌柳の芽
ふつくらとなま温かし猫柳
句会場までの数歩や春の闇
十河 智
[第一句会]
席題「蜆」
朝昼と蜆煮詰めて籠もるなり
名ばかりの春よ暗雲拡がり来
氷上にジャンプのあ
との笑み溢し
鬼に会ふ子の泣き顔に笑まひあり
翌日に届く商品朧月(選2)
十河 智
[第二句会]
ナンプレにのめり込みたり春一日
チョコレート好き便乗のバレンタイン
快晴の春のドライブカーブ急
朧夜や突如追ひ抜く救急車
駅前のペンシルビルや春寒し
十河 智