うちは癌家系

うちは癌家系

          2022/11/07

          十河 智

 

 大阪に住んでいる姪二人のうちの妹の方に乳房のしこりが見つかったという。3センチ位あるらしい。生検中で結果は15日に出るという。心配である。

 うちは癌家系なのだ。私の父、姪にとっての祖父は、胃癌でやせ細ってなくなった。ご飯を食べられなくなってから気づいて遅かったのだ。病気知らずが返って災いした。

 本人が見舞いの人に

 「私は今度はだめと思っている。」

と、言っていたのを思い出す。

 私も子宮がんの疑いで全摘手術を受けている。その手術の際、「お子さんもいるし、全部取っても問題ないね。」と医師に念押しされたことを思い出している。この姪はまだ未婚である。可哀想でならない。今が一番不安な時期だろう。なんとかうまく切り抜けてほしい。

 医師の説明は姉が一緒に聴いたそうだ。私も飛んで行けるところにおり、姉はごく近所に暮らしている。縁者が近くにいることはこういうときにお互いが心強い。説明を受けてわからないところをまた聞いてくれるという。少しは知識と経験があり、不安を解消できるなら相談に乗り、解説をしてやりたいと思っている。もちろん手術となればそばにいてやりたい。

 

癌家系また手術とふ大夕焼

痩せ細る父病床への年始

子を成しし子宮に癌と大西日

まだ未婚乳房を削る秋愁ひ

癌はまだ命取らねど厄日かな