菱の実
2021/09/29
十河 智
菱の実
FBにある人が赤い皮の菱の実を載せていて、「菱の実」ああ昔食べたなあと、思い出したのです。
子供の頃、祖母の家の前が大きな池で、菱の実を取っていましたが、食べる前の状態の白い実しか記憶にありません。写真では固く赤い殻があって、「こんな赤だったのかな。」という感じ。その写真の色は、思い出せませんでした。多分、取ってくれたのは男の子で、大人が茹でてくれたのを食べるだけだったんですね。
祖母の家の前の池では、菱に絡んでおぼれたり、事故も起きたことがありました。あの池は、今はどうなっているでしょうか。市街化の波の中で、埋め立てられているか、柵を巡らし、公園になっているか、はたまた、立ち入れなくなってしまったかも。
後に今住んでいる町でも、溜池で、毎年菱が池を埋め尽くすところが近くにありました。五十年経つうちに、ここでも、子供が溺れる事故がありました。菱は繁茂する前に刈り取ってしまわれるようになり、周りを金網のフェンスが囲み、立入禁止になりました。
子どもたちは冒険できなくなったなあと思います。
菱の実が、時代の変遷も含めて、いろいろと思い出させてくれました。
下の写真はネットのクッキングのサイトから借りてきました。
菱の実や見上げる堤防大き池
菱の実を茹でたる白きものとして
君がため菱の実採ると逝きたる子
菱の実の採取禁じて建つフェンス
菱の実や筏を組みて漕ぎ出だす
紅葉かつ散るアンの遊びし川面にも
今の子は遊びを知らず秋寂し