コロナ禍の医療逼迫、迫る
2021/01/16
十河 智
〘経緯〙
コロナウイルスがひしひしと身近に迫っていて、都会では医療が逼迫していると、感じることが最近あった。
2、3日前のお昼のこと、いつもしっかりしている姪が、少し怯えた感じで電話をかけてきた。
彼女の夫の知り合いで東京に住む人がコロナに感染したという。
ゆっくりと順に聞いていくと、
1 同年代(40代半ば)で、若者とは言えない。東京で一人暮らし。
2 フリーランスの仕事をオンラインでこなすので、ここ半年くらいはほとんど人と会っていない。故に感染経路不明。
3 自宅療養、待機となった。処遇の詳細は不明だが、高熱が続き、解熱剤を飲めば、下がる。効き目が無くなると上がる。また飲めば下がる。これの繰り返しだそうである。
この姪夫婦の友人の情報は、ここまで。食料の調達や、連絡方法については聞いていない。姪は、なにか有効な気をつけるべき助言はないかと、自分も身近に怖さを感じて電話してきたのだ。当の本人の不安を考えると、せめて医療の管理下においてもらえるホテル療養までは、発熱のある人には用意してもらいたいと思うが、東京はそれもできないのだと、実感した。
急変で自宅療養中になくなる人の話を耳にした直後だった。急変だけはその兆候を見逃さないようにしなければならない。パルスオキシメーター、私は喘息で手の届くところにおいてあり、これが、思いついた。保健所に頼むか、自分でネットで手に入れるか、手元に置いておくように勧めるようにと言っておいた。ホテルなどでは、もう、常備されていると聞いたことがあるのだが、自宅待機の人には行き渡っていないようだった。限界の数値と正常値の間隔がとても近いので、よく説明してもらって、医療を受けるタイミングを逃さないように、くれぐれも伝えるようにとも言って、電話は切った。
その日の夜のニュースで、東京の自宅療養者が急変で二人、翌日にはまた一人、亡くなったと報じて、東京都は、自宅待機者へのパルスオキシメーターの配布を検討すると、会見で述べていた。
ニュースなどで散見すると、患者からアクセスしたり、受けられるサービス(食料の買い出しなど)の情報を、患者が知らないということが多いようだ。
個々にではなく、報道や広報により、そうなった場合のシステムを知らしめておく段階に来ている。災害情報の避難勧告と同様な手法が必要に思う。
コロナ禍のインフルエンザ罹患率
殯笛遠き東京より伝播
隙間風都会に一人暮らす者
人日や自宅療養解熱剤
不安募る声に怯えや粥施行
冬の蝿感染経路不明なり
霙降る自宅療養患者の死
急変のオキシメーター冬銀河
〘入院〙
コロナ罹患やつと入院する寒九
姪がラインでその後を知らせてきました。予想通り過ぎて、苦しくなりました。やっと絞り出して、こんな言葉しか出ませんでした。
【姪】
〈こないだ話とった東京の知り合いの人が、今日やっと入院が決まったらしいよ。
自宅待機の10日間が終わっても熱が下がらんし、めちゃくちゃしんどくなってCT撮ってもらえることになったらしい。
で、結果めちゃくちゃ肺炎になっとってSPO2が92%やったんやって。〉
【私】
〈良かったとは言えないけど、まず安心、快癒をお祈りしてます。〉
【姪】
〈ありがとう〉